2002年8月から1:Harry Potter: Sorcerer’s Stone(Scholatic)2002/08/20-23 映画を何度か観ていたせいか、すらすらと進む。勿論知らない単語も沢山あるが、それらをいちいち気にして辞書を引いていたのでは、いつまでたっても終わらないので、ほぼ無視して進む。 文章の雰囲気としては、複雑な構文は殆どといってよいほどない。そのかわり、二重否定系の文章が非常に多い。初めは戸惑うが、それなりに慣れてくる。頭から意味を解する訓練の初段階では、このレベルの英文が適しているかもしれない。 単語としては、魔術用語や著者の造語が頻出。難しい単語(大人レベルの新聞や専門書に出てくるような)もない。その分基本語を使ったイディオム攻めに遭う。put、off、awayあたりが目立つところ。このような基本語の用法-辞書や参考書に出てくるような例文ではなく、生きた用法が次から次へと出てきて、意味を推察しながら読むのも、また楽しい。 ストーリーに関してはご存知の方も多いだろう。少年ハリー成長物語の第1話なので、いろいろな出来事がてんこ盛り。 ガリ勉少女ハーマイオニーが、ハリーとロンをかばうところや、ハグリッドが、自らのミスでハリーを生命の危機に遭わせたことを涙ながらに後悔し詫びるシーンには、思わず涙腺が緩み、またハリーとロンの宿敵同級生マルフォイの一挙一動には、かなりムカついたり。このマルフォイはいかにも典型的な「いじわるライバル」(さしずめ「キャンディキャンディ」のイライザ、ニールといったところか)で、余りのステレオ・タイプさに笑える。 ハリーに敗れた悪者ヴォルデモートは、まだまだその存在を示唆されているので、次の話でも登場するのだろう。 世界的ベストセラーになるのも頷ける、楽しいファンタジーである。☆☆☆☆ 2:Harry Potter and the Chamber of Secrets (1999, Scholatic) 2002/08/24-31 やっと2巻目が終了。この巻は話しの展開が遅く、前半は意味のないと思われるエピソードが延々と積み上げられていくが、後半に入り、漸く話しが展開していく。 1巻でのエピソードが、ここになって重要になってくるものもある。 ダンブルドア校長やハグリッド、宿敵マルフォイの父親の過去も、そしてハリーの両親の過去も明らかになってくる。驚くことも多い。ほほえましいのは、ハグリッドのある種「こまったちゃん」的なところ。本人は決して悪気ではないのだが、なぜかトラブルに巻き込まれてしまう。 ここではWeasly一家が揃って登場する。個性的なロンの兄弟達。そして両親。ハリーはここで温かい家庭の雰囲気や愛を生まれて初めて体感するのだ。特にロンの母は素晴らしい女性のように思う。優しくて大きくて厳しくて…。読みながらとても温かい気持ちになる。 きっと次の巻へと伏線が張り巡らされているのだろうと思うエンディング。またしても次が読みたくなるのは素晴らしい。 ☆☆☆☆ 3: Harry Potter and the Prisoner of Azkaban 2002/9/1-9/10 ハリーシリーズの大きな展開となりそうな予感のする第3巻。これまた一気読みに近かった。作者のイマージネーションはどこまで行くのか。読むたびにその新しいアイデアに驚きを禁じえない。 この巻では、ハリーの両親の過去が一層明らかになる。スネイプ教授の徹底した悪役ぶりには、更に笑いを誘われる。なんといっても、授業中でスネイプ教授が間接的に笑いモノになるシーンは、これまでの中で最大に可笑しい(勿論復讐されてしまうのだが)。ハリー、ロンとハーマイオニーの仲良し3人組に亀裂が入ったりしてハラハラさせられるが、そこは子供のやること。意外なきっかけで仲直りしたりして、自分の子供時代を思い起こしたりするが、それも作者の手腕であろう。 物語としてはこれまでの中で一番起伏に富み、最終的にまとまっていると思うし、質も高いので、これは五つ星。 ☆☆☆☆☆ 4: Charlotte Gray (Sebastian Faulks) 2002/09/10- ジャンル別一覧
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